そこで今回は、手ぬぐいのほつれる理由や、今でも切りっぱなしのまま製造される理由、ほつれのお手入れ方法などを紹介いたします。
もくじ
手ぬぐいの端がほつれる理由とは?
手ぬぐいが切りっぱなしになっている理由は、主に製造過程での切り方によるものです。
手ぬぐいは、綿などの生地を織った後、裁断して一定の大きさに切り分けます。裁断した後、端のほつれを止める処理を行わないため、切りっぱなしの手ぬぐいがそのまま出荷されます。
ただ、これだけだと、そもそも手ぬぐいがなぜ切りっぱなしになったかの過程が分からないと思います。
手ぬぐいは、元々江戸時代で着物を作る際に余った布を「手ぬぐい」として使用していました。余った布で作った手ぬぐいなので、わざわざ端を縫うこともしませんし、使い捨て前提なので気にすることもありませんでした。
このような成り立ちがあるため、当時の人たちは手ぬぐいを縫製する時間やコストを無駄と思ったのだと考えられます。
しかし、現代ではミシンを使えば少ない時間で縫製することは難しくはありません。なぜ、今でも切りっぱなしのままなのでしょうか?
なぜ今でも切りっぱなしのまま製造されるのか?
今でも手ぬぐいが切りっぱなしなのには、次のような手ぬぐいならではの機能性があるからです。・乾きが早いため
・衛生的なため
・応急処置のため
乾きが早いため
手ぬぐいの端を切りっぱなしにしておくことで、水分が溜まりにくく乾きが早くなります。生乾きの匂いも軽減され、梅雨の時期や、冬の洗濯物が乾きにくいシーズンにはこの機能性が特に活躍します。衛生的なため
端を切りっぱなしにしておくことによって縫製されてものより乾きが早くなり、雑菌の繁殖を抑えられるというメリットが生まれます。端が縫製されたものは生地が重なることで乾きが遅くなり、雑菌が繁殖しやすい環境を作る原因になります。応急処置のため
端が縫われていない手ぬぐいは生地をすぐに裂いて使用できるため、ケガの応急処置として使うことができます。災害が多い近年では防災用具として備えておくこともおすすめです。
また、江戸時代では、下駄や雪駄を履くことが一般的だったため、鼻緒が切れた場合の応急処置として手ぬぐいが使われることもあったようです。
手ぬぐいのほつれのお手入れ方法
「手ぬぐいを使用→洗濯をする→ほつれを切る」を繰り返すことで、ほどよいところでほつれは止まります。新品の手ぬぐいは他の衣類への色移り防止のため、最初だけ手洗いをおすすめします。
また、お湯は色が出やすいため、お水で洗うのをおすすめします。干すときは、直射日光を出来るだけ避けて、陰干しをすると色あせを防ぐことができます。
その後はこまめに洗濯して、カットを繰り返すと、端がフリンジ状になってほつれは自然に止まります。
ほつれた糸は切り揃えるのですが、その際、糸を引っ張らないように注意してください。ほつれた糸を引っ張ると生地にシワが寄る原因になります。
手ぬぐいを育てて、楽しんでみてください
「手ぬぐいを育てる」とも言われています。洗って端がほつれてきたらハサミで切っていくことで、いずれほつれは出てこなくなります。また、使うほど柔らかくなっていき、肌に馴染んでいくのも魅力のひとつです。
この過程を楽しみながら、手ぬぐいをぜひ活用してみてください。
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